Sankhu-5

 9月13日、昨夜は早めに休んだ。食事は十分だが、睡眠が少し不足している。体細胞の水分が札幌起源から次第にSankhuとミネラルWater起源に変わりつつある。懸念した下痢の症状は全く無い。5時前に目が覚め、キーボードを叩く。ネット環境は札幌と変わらないが、夕方に多い停電が混乱を招く。

 今日は、10時からスリエさんへのこれまでのNexagによる観測と防除対策の詳細説明を予定している。O先生はその原稿修正のため6時頃から作業を始められた。DeelLでは日本語からネパール語に変換できないため、Webでの変換に問題が無いか英語化して確認しながら。これまで何をしてきたのかを彼らに理解してもらえないと、次のステップには進めないし、NPOとして不誠実である。スリエさんの好意に甘えたまま、彼が対価を求めていなのは明らかだが、このままでは失礼である。O先生からは、その都度、過去の活動と関連情報をいろいろと伺う。一つ一つの事実は、私にとって初耳で、興味をもたらすのだが、それらは文字として見てはいないし、あったとしtも見ている余裕は無かった。それでも、失礼とは承知しつつも、O先生には度々進言した。「文字にしてください。記録を残してください。」「このままでは、先生が一人で楽しんでいるだけです。」楽しんでいる、先生にはそのことばが解釈できなかったのだろう、怪訝な顔をされたが、私にはそう感じた。10畳ほどの空間に後期高齢と初老の男性が二人、三週間を過ごすことに出発前から不安は無かった。それだけO先生から聞ける話が大切で、こちらの失礼な発言すら受け入れてくれる先生は偉大な人物だ。だから、多くのSankhuの人たちとも顔なじみになれたのだろう。でも、私は違う。

 スリエさんからのレポートもまだ理解ができないので教えてもらわねばならない。それと、昨夜DDLのMさんから送ってもらった雨量計のカウンターリセット用sh.をe-DISPのSDカードに書き込んで、雨量計を機能させたい。

 7時にスリエさんがミントティーを運んでくれる。チャパティとアル、ミニトマトの朝食は丁度よい。全く違和感が無い。

 Nexagの中間報告の概要版は、説明開始2時間前にGoogle drive上で脱稿となった。章毎に文書をコピーし、WebのPage毎にペースト、図、写真を貼り付ける。図は「中間報告」で既にアップしてあるので、ファイルを探せば良い。概要版の目次ページを作り、章ごとに目次へのリンクを貼る。これで、ネパール語への変換が可能となる。ここは札幌で作業しているのかと思うほど作業に違和感が無い。

 スリエさんへの説明は1時間半ほどかけ、日本語とネパール語を表示するPCを並べて、ゆっくりとO先生が行った。疫病の言葉など、曖昧に翻訳された単語もあったが、仲間への説明を考え、スリエさんも大変だっただろう。昼食はDBT(Dall Bart Tallcari)、バートに注ぐ豆スープの量を調整したら、昨日より上手く食べることができた。食事後、サンティー婦人がコヒーはと尋ねてくる。カップを取りに部屋へ戻り、3Fの食堂にもどれば、スリエさんが紙フィルターを折っている。サンティー婦人は要らないと言うが、カップ2つと言うと、ガラスコップを持ってきた。砂糖とミルクを入れると美味しいと言うと、スリエさんが婦人のグラスに砂糖をセットした。ドリップはスリエさん、蒸らしも覚えてくれた。そして、サンティー婦人のカップに注がれた砂糖が消えるまでかき混ぜる。いつもLove、Loveの二人だ。

 スリエさんは雲を見て、雨になりそうだと言う。少し横になりたかったが、NexagのSDカードに書き込む準備をすすめる。ポンチョを今日も使うのだろうか。玄関を出ると、怪しい雲が見えた。たむろする若者にナマステ、怖い顔が優しくなり、ナマステが返ってくる。観測計器に着き、準備を始めると雷鳴が響く。昨日より早い時刻だ。こうして雨期は終わってゆくのだろうかと思いながら、作業時に振られた場合を想定してから一連のタスクをこなす。本体の扉を閉じると、雨が落ちてきた。雨量計に昨日のこしたボトルの水を注入、転倒枡が盛んに作動する。雨なのでライトの点滅は確認できなかった。自然の降雨があれば、それも好都合だろう。一気に豪雨となり、被ったポンチョが今日も役立つ。ザックのPCも工具も濡れずに済みそうだ。裾を少し上げながら、スンダールの作業者と挨拶して道へ戻る。ポンチョ姿は珍しくないのだろうが、豪雨の中をあるく者を雨宿りの連中は怪訝な顔をして眺めていた。15時の送信データには、雨量計のカウンター値が記録されており、大量注水量は換算雨量に近く、その後続いた降雨、晴れを反映したデーターとなっていた。これで雨量データーも計測が可能となった。

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