Sankhu-17

 9月25日 起床は6時30分、夜中に雨音を感じた。空は薄曇り、地面は濡れていない。バジルティーを飲んでいると、既に近くのベニヤ板工場が稼働していることに気づく。

 今日は、今週土曜日のミーティングに向けて、スリエさんを交えてこちらの方針を確認しなければならない。O先生を毎度のように急かして、ゲスト三人へのNPOからのメッセージをスリエさんのWhatsappから送ってもらう。前回と異なり、NPO側からの説明は無いので、Sankkhuの農業への将来像を語ってもらい、それについて少しディスカッションを行う。日本語の通訳をKathmanduから呼ぶので、発言もディスカッションの時間も実質半分となる。

 O先生は、これまでのスリエさんとのロングインタビューを整理されている。当方もその整理をしているのだが、スリエさんの最終レポートは、どちらかといえば解決策の提案に近い。こちらとしては、その前段として、課題を整理しなければならない。スリエさんとは課題の共通認識を持つことで、正しい解決策を検討しようとこれまで話していたのだが、問題への対応方法が異なるのかもしれない。

 問題は、目標があってはじめて問題となる。これは当方の持論でもある。そして、現状が定まらないと目標へのベクトルが描けない。偉そうなことを言うようになったものだ。それにしても、SankhuのPotato生産の数々の問題は、どう関連しているのだろうか。ポストイットを持ってきていることを思い出し、スーツケースの中を漁る。3色のポストイットを持ってきたということは、想定内の作業なのかもしれない。借間に敷いた布団をたたみ、壁を広く使えるようにする。スリエさんの主張的な解決策をまず書き込み、壁に貼る。4分野に分けているので、分野毎に縦にならべ、それを元に事実と課題を貼り付けてゆく。英語表記にしているので、お互いの議論のベースになるだろう。

 午前中にPotetoをテーマとした課題整理を終えた。DBTの昼食後、土曜日のミーティングにも関係するSankhuの将来像とそれに向けた課題についても、別の壁を使ってポストイットを貼ってみた。これまで、スリエさんに案内してもらった場所や祝祭、用水路沿いの道、農作業、人々の暮らしから、Sankhuの将来像を勝手に構想する。本当は地元の人たちが考えなければならないことだが、人口増加、民族、カーストもあり、将来を議論する場が設定されているわけではない。行政の姿も良くわからない。それでも、スリエさんと議論ができれば、何かの役には立つのではないかと思っている。

 午後のティータイムにお茶を運んできたスリエさんに壁のポストイットを見てもらう。これはあくまでもThinking Gameで、正解とは限らない。スリエさんの見解も書いて、貼って欲しいとお願いした。また、スリエさんの解決策であるグループによる展示圃場を展開することに対しては、それも必要だが、結局市場はインドからの輸入に支配されているのであれば、この小さなSankkhuは、インドとは別の市場を作らなければならないのではと言った話をした。

 スリエさんも頷いてくれたが、まだお互いが完全に理解した訳では無いようだ。夕食前に0先生とそのことを話していると、O先生から加工販売の例として、コロッケを作ろうという提案があった。Sankhuのジャガイモだけで作るSankhuコロッケ、地元で消費し、評判が上がれば市場としての広がりは可能だろう。Sankhuに加工場を設置して、Kathmandu市場へ販売することもできる。ならば、コロッケと言う物を食べ物をスリエさんに食べてもらおうという事になった。

 コロッケ計画は、まず食材確保からである。作り方は、Youtubeで予習し、材料もリスト化した。Sankhuで揃えられるかが問題だが。

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